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SixTONES 4大ドーム公演「VVS」魂の完走 360度ステージとバンドサウンドで際立つ6人6様のバイブス【ライブレポ】

2024/04/27 09:00

「SixTONES LIVE TOUR 2024『VVS』」
「SixTONES LIVE TOUR 2024『VVS』」撮影=阿部岳人

最新アルバム「THE VIBES」を引っ提げて2月から行われてきたSixTONESの4大ドーム公演「VVS」。大阪、福岡、名古屋、そして東京で計10公演、約51万5000人を動員したツアーの最終公演が、4月22日に東京ドームで行われた。


「ロックレーン」で上空から登場!

この日も、5万5000人のオーディエンスが集まり、会場は熱気に満ちている。今回はSixTONESでは初の360度ステージということで、広大なアリーナのど真ん中に円形のメインステージが置かれ、その上空の円周に掲げられたモニターを全方向から見られるという仕組み。また、メインステージからは6方向に花道が伸びていて、その先にもそれぞれ小さなステージが設置されている。「よりオーディエンスの近くに行って楽しませたい!」という彼らの思いが伝わってくるセットの構成だ。

そんな彼らの思いは、その登場の仕方からさく裂していた。なんと、遙か上空に延びたクレーン=名付けて「ロックレーン」に乗ってメンバーが現れたのだ。「ロックレーン」はメインステージ上空の6方向に伸び、クレーンの先にあったキラキラのオブジェが崩れるとメンバーが現れるという趣向。ちなみに「ロックレーン」という名前は、音楽のジャンルの「ROCK」とグループ名の由来である石=ストーンを表す「ROCK」、そしてSix=6(ろく)にも掛かっている言葉を、機構の「クレーン」とかけ合わせた造語だそう。SixTONESらしいシャレの効いたネーミングだ。

「TOKYO! 声出していこうぜ!」とジェシーが叫ぶと大歓声が応える。そのまま上空で、新アルバムから今ツアーの1曲目に選ばれた力強いメッセージソング「アンセム」を熱唱するメンバーたち。初手からスタンド後方までを熱狂の渦に巻き込むオープニングだった。

 地の底から鳴り響くような重低音のサウンドもまたSixTONESならでは。MCでは、ジェシーが会場の子どもたちへコールした際、「何歳からこの重低音、聴かせていいんだろうね」と言う松村北斗に、田中樹が「気をつけないといけない重低音をやってると思うよ」と答えるやりとりもあった。

その音楽性に今回のツアーで新たに加わった武器は、生バンドによる演奏だ。1曲目の「アンセム」からの9曲と、中盤戦に披露した「Call me」「マスカラ」というアコースティックセットの2曲、そして後半26曲目の「Something from Nothing」から本編ラストの「こっから」までの5曲と、全34曲中の16曲までが生のバンドとのコラボレーションで披露された。

疾走感あるロックナンバー「Rollin'」やEDMとのミクスチャーロックの匂いがある「Outrageous」、ヘヴィメタル調の「Something from Nothing」といったそもそもバンドサウンドとの親和性の高い楽曲はもちろん、ヒップホップチューンの「ABARERO」やミディアムナンバーの「Hysteria」、後半戦に繰り出した初期のダンスナンバー「Telephone」や「BE CRAZY」もアレンジを加え、有機的なバンドサウンドと見事に共生を図っていた。

SixTONESらしいダイナミックなボーカルワークとパフォーマンス、そして合間合間でメンバーがオーディエンスに投げかける叫びがパワフルなバンドのサウンドと融合し、さらなる熱を生む。本編ラストに披露された楽曲「こっから」も、アルバムではブレイクビーツのアレンジだったものを生バンドで演奏。軽快なラップとファンキーなサウンドとが絡みあった熱のあるパフォーマンスで、オーディエンスの興奮が最高潮のままライブは締めくくられた。

それぞれの個性を活かしたボーカルワーク

音楽性の面でもう一つ注目したいのは、彼らのボーカルワーク。それぞれ個性がある歌声を持つ、コーラスグループではなくアイドルグループであるがゆえの性質から、彼らの先輩たちが編み出してきたのが、その個性の違いを逆手に取った歌割り=ボーカルワークの工夫。SixTONESは、その伝統を引き継ぎつつ、さらにその進化系をこのツアーでも提示してみせた。

例えば7曲目の「Alright」や9曲目「希望の唄」で聴かせた京本大我の美しいロングトーンや、17曲目の「マスカラ」など随所で響かせるジェシーの化け物級の表現力があってこそのフェイク、本編ラストの「こっから」をはじめヒップホップチューンで繰り出す田中樹のなめらかなラップはその代表格。もちろん、森本慎太郎のオールマイティーな歌唱力にも舌を巻くし、松村北斗の甘みを帯びた色気のある歌声、ハイトーンと低い声とを巧みに使い分ける高地優吾(高は“はしごだか”)の表現力もまた要所で聴く者の心をつかむ。しかも、単にラップパートとメロディーパートに分けるというような単純な区分ではなく、1小節1小節ごとに「そのメンバーが歌う意味」を付随させている緻密さがあるのがSixTONESの楽曲の最大の特徴だ。
8曲目に披露したバラード「House of Cards」や中盤戦のアコースティックチューン「Call me」などに顕著だが、その表現、そのワンフレーズの表現をすべきメンバーは誰なのか? そこをきっちりと考えられた歌割りだからこそ、ライブという生の表現の場でもそこが大きな聴きどころになる。

しかも、そこまでは通常のボーカルグループでは当たり前のことだが、アイドルであるSixTONESらしさはその先にある。聴きどころとは、つまりライブでは見どころになる。歌声だけではなく、パフォーマンスという点でも「このメンバーだからこそこのフレーズが輝く」という見せ方を徹底しているのが彼らの凄みなのだ。

そこではダンスはもちろん、役者としても活躍する彼らのキャリアがあってこその身体表現も数多く見られる。しかも、東京ドームという大会場。そんなステージ上のメンバーの細かい表情や動きは、しっかりと上空のスクリーンがすくい取ってくれる。

カメラワークとの連動にも抜かりがないのが素晴らしい。例えば、序盤に披露された「Hysteria」では、ゆるやかな体の動き…京本が田中の喉をなでるなど、一つのポーズだけでなまめかしい色気を放つメンバーの姿を、計算され尽くしたカメラワークで捉えるからこそ、その瞬間に5万5000人が湧く。一方、「君がいない」ではメンバーが入れ代わり立ち代わりカメラ前に立つというギミックで、その表情をしっかりと会場中に届けていたのもユニークだった。
 
 もちろん、ここぞというところではきっちり歌と踊りで見せ切るところも、バリエーション豊かなライブの中での大きな見せ場を作っていることは言うまでもない。あいさつ代わりとばかりにダイナミックなダンスを披露した3曲目の「Outrageous」を皮切りに、前半戦を締めくくったおなじみのダンスナンバー「JAOINICA STYLE」、また、中盤戦に「Need you」「TOP SECRET」「WHY NOT」と3曲を畳み掛けたダンスシークエンス、さらに本編の終盤の27 曲目に繰り出した初期のダンスナンバーを生バンドでリアレンジした「Telephone 1ST Ver.」と、さまざまなタイプのダンスでもオーディエンスを魅了した。

ドームという大会場。炎や噴水、トロッコを使ったギミックも広い客席を沸かせるための大事な要素だ。今回の一番の目玉は、23曲目「DON- DON- DON」、24曲目「RAM-PAM-PAM」という怒濤のEDM2連打で登場したデコレーショントラックでのパフォーマンス。ド派手なトラックの荷台の上にメンバー6人が立ち、爆音のパーティーチューンを歌いながら外周を回って客席をあおる! こんな奇想天外な演出も見事に表現として昇華してしまうのは、全てのジャンルをまたにかけて人々を魅了する、大きな器を持つアイドルという存在だからこそ。

下に続きます
音色 (通常盤) (特典なし)
音色 (通常盤) (特典なし)
SixTONES (アーティスト)
SME
発売日: 2024/05/01
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