マイケル・リンゼイ=ホッグ監督、ザ・ビートルズの魅力を語る「ビートルズが世界を変えた」<ザ・ビートルズ: Let It Be>
「彼らはおかしくて、思いやりがあって、才能があって、とても際立っていました」
――「ザ・ビートルズ: Let It Be」の撮影後、ビートルズのメンバーとこの映画について話したと思いますが、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴと、どんな話をしましたか?
1969年の6月だったと思うけど、彼らにラフカットを見せたんです。それからポールとジョン、リンダとヨーコと食事に出かけました。僕たちはみんな、この作品は制作途中の期待が持てそうな作品だと思っていました。そして、人々がワインを2、3本飲みながらするように、自分たちの人生や子供時代のこと、いろんなことについて話をしました。
それから僕は、彼らにファインカット(最終カット)を見せて、みんなが気に入ってくれました。(そして)みんなで食事をして、ディスコに行って踊って話したんです。でもその後、ご存知のように彼らは解散しました。彼らはすぐに解散したわけではなく、それは「レット・イット・ビー」とはまったく関係ありませんでした。ビジネス上の問題があったんです。
さっきも言いましたが、彼らは(ザ・ビートルズを)10代の頃から始めて、『レット・イット・ビー』をやる頃には、彼らの人生は(それぞれ)違う方向に向かっていました。私たちが19歳の時と29歳の時ではまるで違うように、彼らはとにかく変わっていったんです。(彼らが解散を選んだのは)そういうことだと思います。
――ビートルズが世界中の人々に与えた影響は本当に素晴らしいです。今でも人々を魅了し続けているビートルズの魅力は何だと思いますか?
ピーター(・ジャクソン監督)の「ザ・ビートルズ:Get Back」は多くの人に視聴されました。そして人々は、ビートルズが仕事をしているところに連れて行かれることに興奮していました。僕たちが「ザ・ビートルズ:Let It Be」の映像を撮影し、それが「ザ・ビートルズ:Get Back」にも使われたわけですが、僕たちがそれをやる前は、誰もビートルズのリハーサルを見たことはありませんでした。誰も、彼らが曲を作っているところを見たことはなかったんです。
そして、それ(作品)が、ビートルズがやっていることを見せることができるドキュメンタリーになった時、私はある種の責任を感じていました。今言ったように、彼らはそれまで誰にもリハーサルを見せたことがなかったからです。そして、そういったことの何が人々にとって重要だったかと言うと、その音楽とこの4人たちは、世界で最も有名な人たちだったんです。
1960年代の一時期、この4人の顔は後にも先にもないほど有名だったんです。そしてまた、彼らには提供するもの(作品)がありました。彼らはおかしくて、思いやりがあって、才能があって、とても際立っていました。だから、そういったことが、人々がまだ彼らに興味を持っている理由だと思います。
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